大阪地方裁判所 昭和59年(ワ)1454号 判決
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【判旨】
被告の主張1の事実(好意同乗)のうち、原告武英が加害車の所有者であつたことは当事者間に争いがなく、前記一の争いのない事実に、<証拠>を総合すると、次の事実が認められる。
本件事故当時、原告武英と被告は○○短期大学(以下「短大」という。)の学生(原告武英は一回生、被告は二回生)で友人関係にあり、被告は、本件事故以前に原告武英から何回か加害車を借りて運転したこともあつた。
原告武英は、本件事故の前日である昭和五七年二月一八日午後九時三〇分頃から友人の松下修(短大一回生)ら五名と共にスナックで飲酒し、その後被告らが試験の打上げパーテーをしている藤原由香理のアパートに翌一九日の午前一時頃行き、同所において仲間の短大生ら一二名(但し、後記宮脇由美は高校一年生)と、ビール、日本酒等を飲みながらパーテーを続けていたが、午前二時頃酒が足りなくなつたので原告武英と被告はそれぞれ単車に乗つて酒を買つてきた。午前二時三〇分頃になつて、誰れからともなく全員で海にドライブに行こうということになり、被告は、原告武英のカバンの中から鍵を取つて加害車のエンヂンをかけ、原告武英もうたた寝をしていたところを起こされた。そしてパーテーをしていた一二人全員が二台の普通乗用自動車に分乗してドライブに行くことになり、加害車の助手席には松下修(短大一回生)、後部座席には右端から谷口優子(短大二回生)、宮脇由美(高校一年生)、原告武英、北村寿代(短大一回生)の順に乗車した。原告武英が加害車に乗車する際、同原告は酒に飲つてはいたが、心神喪失の状態にまでは陥つていなかつたものであり、同原告は、被告が飲酒のうえ加害車を運転することを制止することはしなかつた。
本件事故は被告が飲酒のうえ加害車を運転し、ドライブに行く途中、前方不注視による被告の一方的過失によつて発生したものであり、事故自体については原告武英に過失はない。なお、原告武英は酒に酔つていたこともあつて被告が運転開始後しばらくして寝てしまつたために本件事故の状況は覚えていない。
以上の事実が認められ、<証拠判断省略>
右認定の事実に、本件事故の態様、原告武英の傷害の部位、程度、治療の経過、後遺障害の内容程度、原告武英の年令、その他本件に現われた諸般の事情を考えあわせると、原告武英の入、通院および後遺症慰謝料は合計二七五万円と認めるのが相当である。
なお、原告武英が、被告運転の加害車に同乗するに至つた経緯等の事情は、公平の見地から原告武英の被告に対する慰謝料の減額事由として考慮すれば足りるというべきである。
(喜如嘉貢)